ちょっとだけ怖い話 ~駅のホームで見たもの~
最近、暖かくなってきて小虫が飛ぶようになってきました。
虫嫌いの私にとっては憂鬱な季節です。
小虫をみると思い出す話があります。
学生時代の話です。
電車を待っていた私は何気なく向かいのホームの屋根の下に目をやりました。
そこには“ユスリカ”の大群が飛んでいました。
(ユスリカか・・・)
そう思いながらボーっとそれを眺めていると、突然“ユスリカ”の大群が、はっきり意識をもって私のほうを向いたのです。
(ユスリカじゃない!)
その瞬間、“それ”は右にグルグル回転しながら私のほうへ向かってきました。
(逃げなきゃ!!)
急いでその場から離れようとホームの端へと走り出しました。
いいタイミングでやってきた電車に乗り込むことができた私は、“それ”がついてきていないか、何度も周りを確認しながら無事に帰路に就くことができました。
ユスリカと思われたものは“白い光の粒子の塊”だったように思います。
ただ、あの正体はいったい何だったのか、私に対して何をしようとしていたのか、得体のしれないものっているんだなと思わされた体験でした。