ちょっとだけ怖い話 ~未解決事件~
この間、テレビで未解決事件の特集をやっていた時にふと思い出した話がある。
僕が子供の頃、住んでいた家のフェンス一つ隔てたところに公園があった。
いつもは賑やかに何人かの遊んでいる子供の姿を見かけるのだが、その日は昼日中にもかかわらず人っ子一人いなかった。
それ幸いとばかりに僕はまるで自分の庭であるかのように、公園の砂場で遊び始めた。
その頃は砂の山を作ることが自分のブームだったことを覚えている。
シャベルでバケツの中に砂を入れ、そのバケツをひっくり返して山を作り、それを何度も繰り返してできるだけ高く砂を盛り上げていくのだ。
何度目だったろう、バケツに砂を入れていると、シャベルに何かが当たる感触があった。
「なんだろう?」と掘り出してみると「包丁」だった。
今は絶対そんなことを思わないのだが、そこは子供、宝物を見つけたような気持ちになってワクワクした。そして、その「包丁」を家に持ち帰り、縁の下に隠した。
次の日かその次の日だったか母親に「最近、怖い人がこの辺にいるみたいだから一人でお外にいっちゃだめよ」というようなことを言われた。
近所で何か事件が起きていたのだろう。今思えば、もしかしたら、例の「包丁」は事件に関係していたのかもしれない。
数日後、「包丁」は無くなっていた。たぶん、母親が捨てたんだと思う。
縁の下にいろんなものを隠すのを母は知っていたから。
未解決事件ってこんなことから未解決になることもあるのかも。