母から聞いた不思議な話2
お立ち寄りくださいまして、ありがとうございます。
今日は母から聞いたちょっと不思議な話をさせていただきたいと思います
母は、東北の出身で、家には祖母にあたる女性(私から見たら曾祖母)が同居していました。
その祖母は、明治生まれで日本髪を結い、お歯黒するというその時代でもなかなか古風な方だったそうです。
ある日、祖母のもとに、一人の男性が訪ねてきました。
その男性は近所に住む若者で、祖母を見かけると
「ちょっと見てほしんだ」
そう言って近づいて来ました。
母は何が始まるんだろうと様子を伺っていると、祖母は若者の目をのぞき込みました。
母も祖母の後ろにまわり、同じようにのぞき込んでみると、黒目の部分に白い発疹(母曰く、ニキビの時にできる白い芯)ようなものがいくつもできていました。
「なんだろう」
母がそう思っていると、祖母は男性に上半身裸になるように言い、こちらに背中を向けるように促しました。
背中にはたくさんの赤い発疹ができていました。
すると、祖母はおもむろにお線香を手に持ち、火をつけ、火のついた先端を赤い発疹の一つに押し当てました。
「ぱんっ」
音がしたと同時に、黒目の中の発疹がはじけるように消えました。
“おもしろーい”
母は子供心にそう思ったそうです
線香を背中に押し当てるたび、「ぱんっ、ぱんっ」と音をたて、目の中の白い点はひとつ残らず消えました。
その後、母は看護師になり、自分でいろいろ調べたり、病院の先生方にもたずねたりしましたが、結局なにもわかりませんでした。
その土地だけにある特殊な病だったのでしょうか?
なぜ祖母はそのようなことができたのでしょうか?
祖母以外そういった行為を行う人はいなかったそうです。
「摩訶不思議なことがあるものだ」と母は語ってくれました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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