ちょっとだけ怖い話
お立ち寄り下さいましてありがとうございます。
今日は私が体験した、ちょっとだけ怖い話をしようと思います。
十数年前、精神的にも肉体的にも疲れていた時期がありました。
事が起こった日、仕事はお休みで、部屋に一人でいました。
とにかく何もする気が起こらず、目を閉じて、じっとイスに腰かけていました。
その日は朝から快晴で、明るい太陽の光がカーテンの隙間から入り込み、私の心とは裏腹に部屋の中を輝かせていました。
ふと目閉じているにもかかわらず、部屋に人の気配を感じました。
“誰かいる”
そう思った瞬間、なぜか私は心の中で“その人”に話しかけてしまいました。
「誰?」と私がたずねると
「えっ、わかるの!?私、ヤ〇〇〇ユキコ(フルネームは控えます)っていうんだけど、あなた、仏様とつながっているんでしょ?私もそこへ連れてって」
というや否や私の中へ入ってきました。
氷のように冷たい空気のかたまりが頭頂部をこじ開け、喉元、胸部を通り、胃まで到達すると、私の体調は見る見るうちにおかしくなっていきました。
下痢と嘔吐を繰り返し、数日間、死んだように過ごしていたある夜、彼女は現れました。
年齢は20代くらい、ソバージュのロングヘア、恰幅の良い体形の女性でした。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・」
何度も何度もその言葉を繰り返しながら、彼女は消えていきました。
なぜ、彼女は私の部屋にいたのでしょう?
すると、通勤途中の交差点で花束がお供えされていたのを思い出しました。
因果関係は今となっては全くわかりません。
現在は心穏やかに毎日を過ごしていますが、当時、不安定な私の状態がネガティブなものを引き寄せたのかもしれません。
ただ、一つだけ気になることがあります。
あの日、私の部屋には、彼女といっしょに小さな男の子もいたんです。
あの子はどこへ?
最後までお読みいただきありがとうございました。